副業・兼業容認企業が増加
~多様な働き方や人材流出防止などのメリットを重視~
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★雇用システム研究所メールマガジン★
< 第260号 2023/12/01 >
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今年も残すところ1ヶ月となりました。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
雇用システム研究所メールマガジン第260号をお送りします。
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□目次 INDEX‥‥‥‥‥
副業・兼業容認企業が増加
~多様な働き方や人材流出防止などのメリットを重視~
■副業容認企業が約50%、大企業は約80%
■「会社が社員を縛り付ける時代は終わった」
■副業先での労働時間は本人の申告が原則
■副業して初めてわかった本業の安定性
(以上執筆者 溝上 憲文)
■「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表
■来春闘に向けて政労使が意見交換(政労使会議)――首相「今年以上の賃上げに協力を」
■労働保険の適用拡大――フリーランスの労災保険、短時間労働者の雇用保険
(以上執筆者 荻野 登)
編集後記(白石多賀子)
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副業・兼業容認企業が増加
~多様な働き方や人材流出防止などのメリットを重視~
政府の後押しもあり、副業を容認する企業が増えている。
政府は人手不足の解消や新事業創出など経済活性化を目的に
副業・兼業の推進を掲げている。
2020年には「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表。
障害となっていた労働時間管理のあり方に関する指針を示し、
副業先との賃金合算による労災保険給付を行う改正労災保険法も施行した。
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■副業容認企業が約50%、大企業は約80%
最近では「三位一体の労働市場改革」で「副業・兼業の奨励」を掲げ、
「副業・兼業人材を受け入れる企業又は送り出す企業への支援など、
労働者個人が新たなキャリアに安心して移行できるようにするための
トライアル環境を整備する」としている。
実際に副業を容認する企業も徐々に増えている。
産業雇用安定センターが実施した
「従業員の『副業・兼業』に関するアンケート調査結果の概況」
(2023年6月5日~7月31日、回答1004件)によると、
副業・兼業を認めている(認める予定含む)企業は48.4%に上る。
一方、認める予定はないが27.7%、
検討していないが23.9%となっている。
従業員5000人以上では副業・兼業を認めている(認める予定含む)企業は78.6%と、
規模が大きい企業ほど容認の割合が高い。
調査対象は違うが、経済同友会が2019年11月6日~12月8日に
実施した調査によると容認企業は38.7%、
「認めていないが、認めることを検討している」企業が26.2%だったが、
着実に増えていることを物語る。
副業容認の理由では「多様な働き方の実現」が252件と最も多く、
次いで「従業員のモチベーション向上」(157件)、
「従業員の自律的キャリア形成」(153件)となっている。
経済同友会の調査では「人材育成・スキル向上につながるため」が57.4%、
「優秀な人材の流出防止」が54.1%となっている。
背景には人材の獲得と定着への危機感もあるようだ。
■「会社が社員を縛り付ける時代は終わった」
大手ホームセンターが副業解禁に踏み切ったのは中途採用者のニーズだ。
同社の人事担当者は「従来は副業禁止だったが、中途採用者が増え、
副業したい人が多かったので中途採用者から手始めに副業を容認した」と語る。
また、「会社が社員を縛り付ける時代は終わったと思う。
一番大事なことはリテンションよりも人の成長に寄り添う会社であることを示すことだ。
それが会社の魅力となり、入社動機につながる。
副業を容認することで優秀な社員がいなくなることを心配する人がいるが、
いなくなるのは仕方がないこと、新しい優秀な人を獲得すればよいと考えている」
(人事担当者)と語る。
一方で、前出の調査にあるようにいまだ半分の企業が副業を容認していない。
前出の調査では「副業・兼業」を容認する際の課題として「労務管理の困難さ
(労働時間管理・シフト管理・給与計算・安全衛生等)」、
「従業員の健康管理」、「社内業務への支障」、
「機密情報流出のリスク」等を挙げている。
実際はどうなのか。建設関連企業の人事部は「副業容認」を役員会議に提案したが、
議論の末、却下されたという。同社の人事担当者はこう語る。
「人事や経理、経営企画などの管理部門のスタッフは可能かもしれないが、
職種によっては企業秘密の漏洩や競業で会社の利益を損なうのではないかという
意見が多く出た。例えば建築デザイン部門の社員が副業をやるとなると、
培ったデザインを売りにするしかない。
それこそ副業で知り合った会社の社長からアルバイトでマンションの図面を書く
ことになれば自社の業務とバッティングしてしまうという意見あり、副業解禁は見送った」
■副業先での労働時間は本人の申告が原則
では副業容認企業はどうしているのか。
2021年から管理職を対象にトライアルスタートした大手化学メーカーは
就業規則に加えて新たに副業に関する規定を設けた。
まず、副業を「当社以外の会社等の業務に従事し、収入を得ること」と定義し、
就業規則で会社の許可を受けずに他の会社等と雇用関係を結ばないこと」、
そして「会社の業務に支障を来すと認められる他の業務に従事しないこと」
という原則を記載している。
その上で副業規定の中で禁止・制限条件として、
(1)企業秘密が漏洩する、
(2)会社の名誉や信頼関係を毀損する行為がある、
(3)競業により会社の利益を毀損する、
(4)安全上のリスクが増す等
-------の副業を禁じている。
また、特に懸念されるのが副業による長時間労働だ。
同社は厚生労働省のガイドラインを参考に自社と副業先との労働時間の合計について、
法定外の時間及び休日労働が、単月80時間超、月間45時間を3か月連続して超えないこと、
という禁止条件も設けている。
実際に副業を希望する社員は届け出制として、届出書を直属の上司に提出し、
上司経由で人事部が書類をチェックし副業の許可を出す。
また、同時に前述した禁止事項を遵守する誓約書も提出する。
届出書には副業先の情報を記入するが、事業内容、就業場所のほか、
勤務日数、勤務時間、超勤時間等も記入する。
人事部はこれによって会社が認めている労働時間内に収まるかどうかを判断する。
ただし副業を開始してから副業先の労働時間が変わる場合もある。
その場合は変更の内容を本人が届け出ることになっている。
また、副業先の労働時間が超過し、法定の時間外労働時間を超えても会社が
責任を負うことはないという整理をしている。
会社への副業の届け出や労働時間管理については他社も同様の措置を行っている。
大手食品加工メーカーの人事担当者は
「副業先と雇用契約を結ぶ場合、当社は主たる雇用主として健康管理義務がある。
だからこそ副業先での労働時間を申告してくれと言っている。
基本的には当社の36協定の範囲内であること、年間の総労働時間が1900時間を
超えないことという規定を設けている。
もちろん申告ベースであり、
副業先に当社の社員がどれぐらい働いていますかと聞くことはない」と語る。
もちろん自社に限らず副業先の労働時間を把握できれば社員の
健康管理に万全を期すことができるが、それによって上司の
管理職の負担が増えることになり、また副業を希望する社員の意欲を
妨げることにもなりかねないという懸念もある。
■副業して初めてわかった本業の安定性
実際に副業している社員の業務はさまざまだ。
「社会保険労務士の資格を使って中小企業の労務相談を行っている社員もいれば、
友人の会社の事業を手伝っている人もいる。
また、役員も社外取締役をはじめコンサルタント業務をしている人もいる」
(食品加工メーカー人事担当者)。
大手化学メーカーでも大学講師、技術コンサルティング、セミナー講師、
学校の部活動指導員、ソフト開発・テータ分析などさまざまな副業に従事している。
一方で当初懸念された本業への支障や上司の労務管理負担については
「最初は上司から労務管理が大変になるという不安もあったが、
副業者の上司に聞くと、日常の仕事に影響を与えていないし、
上司の負担も特にないという回答が多かった」
(食品加工メーカーの人事担当者)という。
また、副業を認めると、離職してしまうことを懸念する企業も少なくない。
実際にどうなのか。
大手化学メーカーの人事担当者は
「基本的に離職のリスクはあると思うが、副業している社員の声を聞くと、
例えばコンサルティングの副業している社員はそれで得た収入を本業の給料分稼ぐ
のがいかに大変かを実感した。
あるいは毎月安定した給与をもらえる会社の価値を再認識しましたという声も少なくない。
むしろ副業を行うことで本業の仕事に対するエンゲージメントが
上がっていると考えている。
また、副業を認めたことによって自分のやりたかったことができることで
退職するのをやめたという離職防止につながったケースもある」と語る。
副業希望の社員が増えるなど、社員の価値観も多様化している。
副業禁止による会社に縛り付ける時代働き手の価値観や時代のニーズに
合わなくなっているのかもしれない。 (溝上 憲文)
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■「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表
内閣官房新しい資本主義実現本部事務局と公正取引委員会は11月29日、
連名で「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を策定し、公表した。
今年の春季労使交渉の賃上げ率は3%台後半という約30年ぶりの高い伸びとなったものの、
2022年4月以降、現時点に至るまで、物価上昇に対して賃金の上昇が追いつかない、
実質賃金割れの状態が続いている。
このため、原材料価格やエネルギーコストだけでなく、雇用の7割を占める中小企業が
賃上げ原資を確保できる取引環境をサプライチェーン全体で整備することが重要となる。
公正取引委員会の特別調査によると、コスト別の転嫁率でみると、
原材料価格(80%)やエネルギーコスト(50%)と比べ、労務費(30%)は低く、
労務費の転嫁は進んでいない。
政府は労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化に向けた環境整備の一環として、
「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」に基づき、
価格転嫁対策に取り組んできたが、今年6月に閣議決定した新しい資本主義の
グランドデザイン及び実行計画2023改訂版では、労務費の転嫁のあり方について
指針を年内にまとめることとしていた。
同指針の性格は、労務費の転嫁に関する事業者の発注者・受注者の双方の立場から
求められる行動指針との位置づけ。
発注者及び受注者が採るべき行動/求められる行動を12の行動指針としてまとめ、
それぞれに「労務費の適切な転嫁に向けた取組事例」や
「留意すべき点」などを記載している。
行動指針に沿わないような行為をすることで、公正な競争を阻害するおそれがある場合には、
独占禁止法および下請代金法に基づいて厳正に対処することも明記した。
「発注者として採るべき行動/求められる行動」としては、
(1)「本社・経営トップの関与」。
労務費の上昇分について取引価格への転嫁を受け入れる方針を具体的に
経営トップまで上げて決定し、その方針・要旨などを書面等の形で、社内外に示す。
(2)「発注者側からの定期的な協議の実施」。
受注者から労務費の上昇分に係る取引価格の引上げを求められていなくても、
業界の慣行に応じて1年に1回や半年に1回など定期的に労務費の転嫁について
発注者から協議の場を設ける。とくに長年価格が据え置かれてきた取引や、
同じ価格で更新されている取引については「買いたたき」として
問題となるおそれがある。
(3)「説明・資料を求める場合は公表資料とすること」。
労務費上昇の理由の説明や根拠資料の提出を受注者に求める場合は、
公表資料(最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率など)に
基づくものとし、これを用いて提示する価格については、
合理的な根拠があるものとして尊重すること。
(4)「サプライチェーン全体での適切な価格転嫁を行うこと」。
直接の取引先である受注者がその先の取引先との取引価格を適正化すべき
立場にいることを常に意識して、そのことを受注者からの要請額の妥当性の
判断に反映させること。
(5)「要請があれば協議のテーブルにつくこと」。
受注者から労務費の上昇を理由に取引価格の引上げを求められた場合には、
協議のテーブルにつき、労務費の転嫁を求められたことを理由として、
取引を停止するなど不利益な取扱いをしないこと。
(6)「必要に応じ考え方を提案すること」。
受注者からの申入れの巧拙にかかわらず受注者と協議を行い、
必要に応じ労務費上昇分の価格転嫁に係る考え方を提案すること。
「受注者として採るべき行動/求められる行動」として、
(1)「相談窓口の活用」。
労務費上昇分の価格転嫁の交渉の仕方について、国・地方公共団体、
商工会議所などに相談する。
(2)「根拠とする資料」。上記と同様に最低賃金の上昇率、
春季労使交渉の妥結額やその上昇率などの公表資料とする。
「値上げ要請のタイミング」。
労務費上昇分の価格転嫁の交渉は、業界の慣行に応じて1年に1回や
半年に1回など定期的に行われる価格交渉のタイミングなど、
価格交渉を申し出やすいタイミングなどに行う。
(3)「発注者から価格を提示されるのを待たずに自ら希望する額を提示」。
発注者に提示する価格の設定は、自社の労務費だけでなく、
自社の発注先やその先の取引先における労務費も考慮すること。
「発注者・受注者の双方が採るべき行動/求められる行動」としては、
(1)「定期的なコミュニケーション」、
(2)「交渉記録の作成、発注者と受注者の双方での保管」
-------をあげる。
■来春闘に向けて政労使が意見交換(政労使会議)------首相「今年以上の賃上げに協力を」
2024年の春季労使交渉(春闘)に向けて、政府首脳と労使のトップによる
意見交換(政労使会議)が、11月15日に首相官邸で開催された。
同会議は今春闘のヤマ場(3月15日)に実施されて以来で、
政府から岸田首相をはじめ、松野博一内閣官房長官、武見敬三厚生労働大臣、
古谷一之公正取引委員会委員長らが、労働界からは連合の芳野友子会長、
清水秀行事務局長、産業界からは、日本経済団体連合会の十倉雅和会長、
日本商工会議所の小林健会頭、全国中小企業団体中央会の森洋会長、
全国商工会連合会の森義久会長が出席した。
会議ではまず、先に紹介した
「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」について
公正取引委員会から説明があり、意見交換した。
連合の芳野会長は、来年の賃上げにむけて価格転嫁が重要だと強調。
指針の周知に向けて、中小企業の経営者にも知れ渡るよう、
国・地方も総がかりで周知・相談活動に取り組むべきであると要望した。
産業界も価格転嫁の重要性で認識を共有している。
経団連の十倉会長は、岸田内閣が掲げる「構造的な賃金引上げ」の実現には、
「中小企業における賃金引上げが不可欠」であると述べたうえで、
「中小企業が提供する製品・サービスが市場で適正に評価され、
付加価値に見合った対価が得られるよう、サプライチェーン全体を通じて、
適正な価格転嫁は当然との認識を社会で共有すべき」との認識を示した。
日本商工会議所の小林会頭は労務費の価格転嫁が進まない中でも
賃上げ要請に応えている中小企業の苦しい現状などに触れ、
「パートナーシップ構築宣言の実効性確保は不可欠」と述べた。
価格転嫁の推進に当たっては、
「労務費を、原材料費やエネルギー費用などと明示的に分けて交渉、
転嫁できることを浸透させることが肝要」と指摘した。
中小企業団体中央会の森会長は労務費の価格転嫁に関して、
(1)客観的な数値などに基づき転嫁交渉ができるような実効性のある
ガイドラインの作成、
(2)政府による強力な価格転嫁対策の継続と2%程度の緩やかな
物価上昇が続くような施策の継続、
(3)所得税減税など消費者の所得向上が期待できる対策の継続、
(4)従業員の雇用の維持と経営資源の散逸を防ぐため事業承継対策の
一層の強化や第三者によるM&A支援強化等
------を要望した。
全国商工会連合会の森会長は、実質賃金がマイナスの中、
「従業員の処遇改善の観点から賃上げの必要性は十分に認識している」
と述べたうえで、中小企業・小規模事業者は円安・物価高・最低賃金の引上げ等の
影響でコストが増大しているため、コストの増加分をなかなか価格転嫁できずに、
利益が圧迫されている状況を説明。
厳しい経営環境の中、賃上げに対応していることについて理解を求めた。
また、政府に対して、物価上昇の抑制・価格転嫁対策の実施・経済対策の
早期かつ確実な実行を要望した。
こうした労使による意見交換を受け岸田首相が発言。
人への投資やデジタル、グリーンなど成長分野の投資を新たな制度改革と
官民の連携の下、積極的に拡大させ、賃金と成長の好循環が動き出しつつあるとの
認識を示した。
また、「賃上げは30年ぶりの高水準、国内投資も過去最高、株価も30年ぶりの高水準」
という状況から、「デフレ完全脱却の千載一遇のチャンスが巡ってきている」と指摘。
そのため、中小企業が使いやすいように賃上げ税制を拡充するとともに、
労務費の転嫁の強化を強く働きかけるなど、賃上げ努力を後押しすると強調した。
そのうえで、「このチャンスをつかみ取り、デフレ完全脱却を実現する。
そのために、経済界においては、足下の物価動向を踏まえ、来年の春闘に向け、
今年を上回る水準の賃上げの御協力をお願いする」と要望した。
■労働保険の適用拡大------フリーランスの労災保険、短時間労働者の雇用保険
厚生労働省は11月20日、労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会を開き、
労災保険に加入できるフリーランスの対象を拡充し、
原則全業種が加入できるようにする方針を示した。
厚労省は省令を改正し、2024年秋までの適用開始をめざす。
また、11月22日に開催された労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会では、
短時間労働者に対して週20時間未満でも雇用保険の適用とする見直しの方向性が示された。
わが国では現在、推計で約462万人がフリーランスとして働いており、
このうち企業の業務委託を受けて働くフリーランスが6割を占めるとされている。
こうした動向を受け、政府はフリーランスが安心して働ける環境を整備するため、
企業などの発注事業者との取引の適正化および就業環境の整備を目的とした
「フリーランス法」が今年5月12日に公布され、2024年秋頃までに施行予定だ。
フリーランス法案の国会審議における附帯決議や、その後の閣議決定で、
フリーランスを対象とする労災保険の特別加入の対象拡大に向けて
取り組むことが求められていた。
また、労働政策審議会の建議(令和元年12月23日)でも、
「社会経済情勢の変化も踏まえ、特別加入の対象範囲や運用方法等について、
適切かつ現代に合った制度運用となるよう見直しを行う必要がある」とされていた。
現在、特別加入に該当するのは、
第一種特別加入者(中小事業主等)、
第二種特別加入者(一人親方等、特定作業従事者)、
第三種特別加入者(海外派遣者)だが、
その業務の実態などに応じて加入対象である職種は順次追加されている。
フリーランスについては2021年4月以降、「芸能従事者」「アニメーション制作従事者」
「柔道整復師」「自転車配達員」「ITフリーランス」「あん摩マッサージ師・鍼灸師」
「歯科技工士」を順次追加しており、今回の見直しによって
希望するすべてのフリーランスへの対象拡大の検討に着手することになる。
労災保険部会で示された論点1の「加入対象業務と保険料率の設定」については、
新たな対象業務(以下「特定受託業務」)として、
フリーランス法に規定する特定受託事業者が、業務委託事業者から業務委託を
受けて行う業務(特定受託事業者が、業務委託事業者以外の者から同種の業務に
ついて物品の製造、情報成果物の作成又は役務の提供の委託を受けて行う業務を含む)
を追加。
また、特定受託業務には既存の特別加入の業務は含まないこととする。
労災保険料率については、特定受託業務に類似する既存の事業の料率は
おおむね3/1000となっていること、制度を簡明なものとすることによる利便性の
確保等を勘案し、一律3/1000とする。
一方、22日の同審議会雇用保険部会ではこれまで適用対象とされていなかった
週所定労働時間20時間未満の短時間労働者に対し、雇用保険の適用を拡大する
方針がおおむね了承された。
「経済財政運営と改革の基本方針2023」(6月16日閣議決定)で、
週所定労働時間20時間未満の労働者に対する雇用保険の適用拡大について検討し、
2028年度までを目途に実施することとされていた。
仮に週所定労働時間10時間以上まで適用拡大した場合、
約500万人、15時間以上まで適用拡大した場合は約300万人が新規適用となると
見込まれている。
適用拡大の範囲については、給付と負担のバランスのほか、
申請手続等を含む事業主の負担や被保険者の増加に伴う制度運営コストを
踏まえた検討が求められる。
さらに、適用拡大する際の週所定労働時間数については、
現在検討が行われている健康保険、厚生年金の加入条件の緩和との整合性を図るなど、
労使が納得できる制度設計とすることが必要となる。 (荻野 登)
★☆★編集後記★☆★
阪神が38年ぶりに日本一となりました。
38年前の1985年には、グリコ・森永事件、日航機墜落事故等が起きています。
そして、日本経済に最大の影響を与えた「プラザ合意」です。
「プラザ合意」の翌年に、「前川リポート」で
『労働時間の短縮により自由時間の増加を図るとともに有給休暇の集中的活用を促進する。
労働時間については、公務・金融等の部門における速やかな実施を図りつつ、
欧米先進国なみの年間総労働時間の実現と週休二日制の早期完全実施を図る。』
ことが提言されました。
1988年4月、「週40時間制、年次有給休暇最低付与日数10日」等の労働基準法が改正され、
この38年間に労働環境の変化により頻繁に労働法関係が改正されています。
急激な寒暖差で体調不良者が増加しています。
くれぐれもお気をつけください。 (白石)
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