早期離職を防ぐために新入社員の特徴を知る
~個性を尊重した育成の進め方~
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★雇用システム研究所メールマガジン★
< 第265号 2024/05/01 >
http://www.koyousystem.jp
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急に暑くなったかと思えば、また少し肌寒くなり、
気温差に体調を崩される方もおられると思います。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
雇用システム研究所メールマガジン第265号をお送りします。
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□目次 INDEX‥‥‥‥‥
早期離職を防ぐために新入社員の特徴を知る
~個性を尊重した育成の進め方~
■入社1年目の新人の「転職活動・検討中」は43%
■情熱的で厳しい上司から「丁寧で褒める」上司が理想
■管理された大学生活で「指示されるのは当然」の感覚
■「タイパが悪い」と感じたら転職を考えはじめる?
■OJTは目的を共有し、本人の納得性を重視する
(以上執筆者 溝上 憲文)
■実質賃金が23カ月連続の減少で過去最長------2023年平均の物価は2.8%上昇
■中小企業に賃上げは波及するか------大手追随は不可避に
■賃上げ上回る初任給の伸び------昨年から加速し来年も続伸必至
(以上執筆者 荻野 登)
編集後記(白石多賀子)
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早期離職を防ぐために新入社員の特徴を知る
~個性を尊重した育成の進め方~
新入社員が入社して1か月が経過した。
新入社員研修が終わり、配属先でのOJT(職場内教育)が始まる時期になる。
最近は新入社員の早期離職だけではなく、
退職代行会社を使って退職届を出す新入社員もいることがメディアでも話題となっている。
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■入社1年目の新人の「転職活動・検討中」は43%
実際に入社後に転職を意識する新人はどのくらいいるのか。
ディスコキャリタスリサーチが2023年4月に入社の社員を調査した
「入社1年目社員のキャリア満足度調査」(2024年3月)によると、
転職意向の有無について「転職は考えていない」が57.0%。
一方で「転職活動はしていないが検討中」が39.3%、
「現在転職活動中」が3.7%、
計43.0%が「転職活動・検討中」と回答している。
入社1年目に半数弱が転職を意識していることは、企業も不安だろう。
実は最近の新入社員の会社や上司に求める価値観は10年前と比べて
大きく変化している。
リクルートマネジメントソリューションズが
「理想の職場・上司」の2013年の新入社員と2023年新入社員の比較を行っている。
2013年の新入社員の理想と考える職場の上位は以下の3つだ。
・皆が1つの目標を共有している
・お互いに鍛え合う
・活気がある
しかし2023年は以下の項目が上位を占める。
・お互いに個性を尊重する
・お互いに助け合う
一方、2013年の理想の上司像は以下の3つだ。
・周囲を引っ張るリーダーシップ
・仕事に情熱を持って取り組む
・言うべきことは言い、厳しく指導する
2024年はかなり異なる。
・一人ひとりに対して丁寧に指導する
・よいこと・よい仕事をほめる
■情熱的で厳しい上司から「丁寧で褒める」上司が理想
とくに厳しく指導する上司は20.6ポイントも下がっている。
同社のトレーニングプログラム開発グループの桑原正義主任研究員は
「10年前は組織に適応し、一致団結して目標を達成し、成果を上げることと
同時に社員同士が切磋琢磨し、競争し合う職場が自分も成長していくことに
つながると考えていた。
しかし今は我慢して組織にあわせるのではなく、個性を尊重し合い、
それぞれの強みを活かして助け合う組織を好む傾向に変わっている」と語る。
上司について
「情熱的で厳しい上司ではなく、一人ひとりの個を尊重し、丁寧に指導し、
ほめてあげる上司を望むようになっている」と語る。
まさに10年前とは真逆の組織・上司を求めている。
加えて、今年の新入社員も一筋縄でいかない特徴を持っている。
産労総合研究所が発表した2024年度の新入社員は「セレクト上手な新NISAタイプ」と命名。
その特徴として「デジタルに慣れ親しんでいる一方で、対面コミュニケーションの経験に乏しく、
『仲間』以外の世代との距離感に戸惑う面もある。
また、タイパを重視し、唯一の正解を求める傾向が年々増している」と分析している。
タイムパフォーマンス(時間対効果)に敏感な一方で、
正解探しの傾向が強いというのは、正解のないビジネスの世界で奮闘している
経営者にとっては、ちょっと引いてしまう印象を受ける。
長所として「目標とする未来が定まれば、彼らは自分なりに情報を集め、
『セレクト』して歩き始める」と分析している。
もしかしたら今の会社に合わないと判断すればさっさと見切りをつけて
転職してしまいそうな危惧も覚える。
■管理された大学生活で「指示されるのは当然」の感覚
対面コミュニケーションに乏しく、仲間以外の世代との距離感に戸惑う
というのも気になる。
大学でキャリア教育の講師も務める就職情報研究所の平野恵子所長はこう語る。
「大学に入学した2020年4月はコロナが蔓延し、キャンパスにも入れず、
講義もオンライン。当然、サークル活動やアルバイト経験も少ない。
大学入学2年目までの講義は申告した上で席に座り、
感染者が発生したら周りの学生も休ませるという大学の厳しい管理下で
キャンパス生活を送った。
そのため人の言うことはよく聞く謙虚さや素直さがあり、
指示されることに慣れている。
というより指示されるのが当たり前で、逆に指示してくれないと動けないのは
当然という感覚を持っている」
高校でも管理され、やっと自由な大学生活を謳歌できると思ったのに、
コロナで管理される生活を送った。
仲間以外の人間関係に不安を覚えるのもわからないではない。
新入社員研修をはじめ企業研修を手がけるALLDIFFERENTの
根本博之CLM(最高育成責任者)も今年の新入社員研修を通じて
「非常に素直で前向き、かつ指示したことを丁寧に進めようとする傾向がある」と言う。
しかし一方で「どのようにたち振る舞えばよいのかわからない。
挨拶するにもどれぐらいの声の大きさでやればいいのか、人とすれ違ったとき、
本当に声を出して挨拶してよいのかもわからない。
こうやればいいよと指示すると、とたんにやり出す。
裏を返すと、失敗したくないという思いもある。
一昔前から『正解探し』の傾向があると言われていたが、
それがより強固になった印象を受ける」と語る。
■「タイパが悪い」と感じたら転職を考えはじめる?
職場での新たな人間関係の構築でも不安な要素も持つ。
「人の様子を察して声をかけるとか、何かやることありますか、
といった”察する力”が足りないように思う。
コロナ下の4年間、大学でも家でも目の前のパソコンに向き合い、
周囲に気を配ることもなく、正解を探す日常を送ってきたので、
自然と鍛える場がなくなってしまったからではないか」と推測する。
こうした特性を持つ今年の新入社員への接し方や指導法を一歩でも
間違えると離職の引き金になる可能性もある。
前出の平野所長は「転職はアグレッシブな行為であるが、
そこまでアグレッシブな新人は多くない。
ただし、嫌なこと、自分には無理と思ったらファーストキャリアだし、
辞めてもいいやという感覚はほぼ全員が持っているのではないか」と指摘する。
その上で「例えば学生時代に在宅でのオンライン生活を長く強いられたため、
社会人になって惰性的に対面での仕事をやらせると、
『これってわざわざ出社して対面でやる必要なくない』とか、
『タイパ悪くない』といった違う価値観を持っている。
働き方のスタイルにギャップを感じたら転職を考えはじめる可能性はある」と語る。
■OJTは目的を共有し、本人の納得性を重視する
では離職を防止するにはどうすればよいのか。
前出の平野所長は「まずOJTの前に、話をしてくれる関係を築くこと。
本人の考えを聞いたり、個別にコミュニケーションをしっかり取る。
彼らがちゃんと話をしてくれる状態にまで持っていかないと育成もスタートしない」と語る。
前出の桑原正義主任研究員はこうアドバイスする。
「なぜこの仕事をやることが大事なのかという意味を伝え、
納得感をしっかりと本人に持たせる。
OJTを行う際は、目的を共有すること、もう1つは本人の個性を知ることをまずやってほしい。
本人の持ち味を知らずして成長にはつなげられない。
本人が大事にしていることを聞き出し、仕事に関して
『あなたはこういうことを大事にしているよね、将来はこうありたいと言っているよね、
今の仕事は大変だけど、この仕事を通じてスキルアップにつながるかもしれないよ』と、
本人がなるほどと思えるようなつなぎ方をすれば、
決してやりたいことだけではなく、組織としてやってほしいことも
やってもらえるようになるだろう」
前出の根本CIOは「マイクロOJT」を推奨する。
「それこそ箸の上げ下げのレベルからしっかりと指導してあげるのがマイクロOJT。
例えば議事録の書き方であれば、この項目はこの順番で書きなさいと細かく教える。
上司の側はどうしてそこまでやらないといけないのかという声が
管理職の研修では必ず出てくる。
しかし、そうしなければ今の新人は何がわかっていて、
何がわからないのかがわからず、育つ人は育ち、
育たない人は育たないという状況になってしまう」
上司世代が教わった育成法とは180度違うので大変だが、
新入社員定着のために従来のOJTを見直す必要があるかもしれない。(溝上 憲文)
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■実質賃金が23カ月連続の減少で過去最長------2023年平均の物価は2.8%上昇
厚生労働省は4月8日、2月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表した。
現金給与総額は、就業形態計で
前年同月比1.8%増の28万2,265円と26カ月連続でプラスとなった。
うち一般労働者が同2.0%増の36万616円、
パートタイム労働者が同3.1%増の10万5,268円。
その一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金は、
前年同月比1.3%減で、23カ月連続の減少となり、
物価の伸びに賃金が追いつかない状況が続いている。
実質賃金の減少率は1月の1.1%から拡大。
23カ月連続のマイナスはリーマン・ショック前後の2007年9月~09年7月以来で、
比較可能な1991年以降の過去最長に並んでいる。
日銀の植田和男総裁は3月27日の参院予算委員会で、
前年同月比でマイナスが続く実質賃金について
「伸び率はしだいにプラスに転換し、人々の生活実感も改善していく」
との見方を示しているが、そのためには、賃上げの流れが確実に
中小企業にも及ぶ必要がある。
林芳正官房長官は4月8日の会見で、毎月勤労統計で実質賃金が23カ月
連続でマイナスとなったことに関して
「昨年を上回る力強い賃上げの動きが中小企業に広がっていくことが重要と認識している」
との考えを示し、政府として「中小企業の賃上げを強力に後押しすることで賃金が上がることが
当たり前という前向きな意識を、
中小・小規模企業も含めて社会全体に定着させていきたい」と述べた。
連合は4月18日、2024春季生活闘争の第4回回答集計結果を公表した。
上げ幅を中心とする平均賃金方式で回答を引き出した3,283組合(253万人)の
加重平均は5.20%・1万5,787円で、昨年同時期と比べ率で1.51ポイント、
額で4,765円増となった。
大手企業のヤマ場直後の3月15日時点の5.28%から1カ月経っても、
大きく腰折れすることなく、5%台を維持していることから、
「『賃上げの流れ』はしっかりと引き継がれている」との見解を示している。
このうち、組合員300人未満の中小組合2,123組合(約21万人)の加重平均は4.75%・1万2,170円
(同1.36ポイント・3,714円増)。
連合集計で中小が4%台を超えるのは、32年ぶりとなる。
とはいえ、平均との差は率で0.45ポイント、額で約1,000円の開きがある。
こうした政府や春闘の動向を踏まえて、日本商工会議所の小林健会頭は4月の記者会見で、
中小企業の賃上げに関し、
「流れ全体は上向き傾向にあり、周辺をみながら果敢な決断をしてほしい」
「小さい事業者も含めて余力のある企業にはぜひ、この流れに参加してもらいたい」
などと述べ、中小企業に賃上げを呼びかけた。
こうしたなか、総務省が4月19日に発表した2023年度平均の消費者物価指数
(2020年=100)は、天候の影響が大きい生鮮食品をのぞいた総合指数が105.9となり、
前年度より2.8%上昇した。
前年度比の上昇率は前年度(3.0%)より低下したものの、依然として高い水準。
政府がめざす「物価に負けない賃上げ」のためにも、
中小企業を含めて日本全体への賃上げの波及が求められる。
■中小企業に賃上げは波及するか------大手追随は不可避に
大手企業で続いた33年ぶりとなる5%超の賃上げに続き、
その波が中小企業に及ぶのかについて関心が高まっている。
こうしたなか、財務省が4月22日に地域企業における賃上げ等の動向について
把握するため、企業等に調査(ヒアリング)を行い、その結果を公表した。
調査期間は春闘のヤマ場とかさなる3月中旬~4月中旬。
調査対象は各財務局が管内経済情勢報告を取りまとめる際に従来から継続的に
ヒアリングを実施している企業等1,125社で
資本金10億円未満の中堅・中小企業は638社だった。
定例調査に賃上げの特別調査を含めて実施した財務局による調査と
ということなので、民間のアンケート調査より実態を映し出していると
みることができる。
それによると、まず、人手不足や物価高を背景に賃上げの動き自体は
中堅・中小企業でも広がっている。
2024年度に「ベア(ベースアップ)」または「定期昇給」を実施する企業の
割合は前年度からそれぞれ増加し、ベアで70.7%、
定期昇給で81.9%となっている。
ベアを実施する企業を規模別でみると、
大企業より中堅・中小企業等の伸び幅が大きくなっており、
賃金引上げの流れが中堅・中小企業等にも広がっていることがうかがえる。
今年度、「ベア」の引上げ率を「3%以上」と回答した企業の割合は59.8%、
「ベアと定期昇給を合わせた賃金」の引上げ率を「5%以上」と
回答した企業の割合は36.5%となり、前年度に比べ増加している。
規模別にみると、「ベア」の引上げ率を「3%以上」と
回答した企業の割合は、大企業で68.5%、
中堅・中小企業等で52.0%、
「ベアと定期昇給を合わせた賃金」の引上げ率を「5%以上」と
回答した企業の割合は、大企業で53.8%、中堅・中小企業等で24.4%。
前年度に比べて5%以上の賃上げを決めた割合は大企業で27ポイント上昇、
中堅・中小企業で11ポイント上昇したものの、
規模間で実施する企業の割合の差は大きい。
賃金引上げを実施する理由(最大3つまで回答)として、
「社員のモチベーション向上、待遇改善、離職防止」と
回答した企業が最多(86%)。以下「物価上昇への対応」(67%)、
「新規人材の確保」(54.9%)、「同業他社の動向」(16.7%)が続く。
企業の代表的な声として、
「物価上昇のほか、社員が安定して働ける環境を整えると共に、
賃金の競争力を高め、優秀な人材の獲得・維持を図る」(自動車・同附属品・東海ほか)を紹介。
物価高と人手不足が賃上げを促しているといえる。
連合の集計によると、1991~93年には全体集計を中小の賃上げ率が上回ったことがある。
バブル崩壊直後で好景気の余韻が残る中、
中小企業はバブル期に大手に後塵を拝した人材獲得に向け、
賃金の底上げによって採用競争力の強化を図った。
これまで中小企業の賃上げは人材確保のための、
「防衛的賃上げ」という発想が強かったが、
「賃上げしなければ淘汰される」という現実に直面せざるを得ないところまで来ている。
4月5日に帝国データバンクが発表した2023年の人手不足倒産(採用難や
人件費高騰に起因する)は前年、(146件)に比べ倍増の313件で過去最高を更新したことも、
データからその現実を映し出している。
浜松商工会議所の斉藤薫会頭は中小企業について
「競争のために賃金を上げざるを得ないところまで来ている。
横(の同業)を見て同じくらいに(賃金を)出さないと生き残れない」
(3月12日の記者会見)と発言している。
■賃上げ上回る初任給の伸び------昨年から加速し来年も続伸必至
30数年ぶりの大幅賃上げが話題となる中、
それを上回る勢いで伸びているのが初任給だ。
昨年から、新卒初任給の大幅引き上げに踏み切る企業が相次ぎ、
賃金全体を押し上げるモメンタムの形成につながっており、
今年はそれを大きく上回る動きを示している。
当然ながら初任給には定期昇給相当分という概念はないため、
伸び率はそのままベースアップ分ということになる。
そのため、初任給の伸びが賃金全体の底上げ役になっているともいえる。
民間シンクタンクの産労総合研究所が4月23日に発表した
2024年4月に入った新入社員の初任給調査(141社の中間集計結果)によると、
大卒初任給は、一律に初任給額を決定している場合、
大学卒は22万6,341円で前年度比8,706円(4.01%)増、
高校卒は18万9,723円で同比8,349円(4.71%)増となった。
上昇率は1991年(5.2%)以来の高い水準になった。
30年間にわたって初任給水準の凍結が続いていたため、
初任給は22年まで据え置きや凍結が基本で伸びゼロ近傍の超低空飛行が続いたが、
昨年の最終集計(7月)では2.84%まで高まっていた。
初任給を引き上げた理由(複数回答)は、
「人材を確保するため」が81.8%で最も多かった。
次いで「在籍者のベースアップがあったため」(37.4%)、
「初任給の据置きが長く続いていたため」(10.1%)などが続いている。
最大産別のUAゼンセン(185万人)が3月末段階でまとめた妥結状況によると、
初任賃金は、高卒(213組合)の平均が 19万1,281 円で 1万1,857 円(6.2%)の引き上げ、
大卒(243組合)の平均が 23万873 円で 1万4,389 円(6.2%)の引き上げ
となっており、UAゼンセン集計の正社員(在籍者)の賃上げ率である5%台を上回っている。
さらに、高卒・大卒とも300人未満の組合の引き上げ額が300人以上の組合を上回っており、
本部は「中小労使において初任賃金の引き上げが強く意識されている」と分析する。
こうした初任給大幅アップのトレンドは23年春、ファーストリテイリングが総合職で
30万円に引き上げたことが呼び水となった。
グローバルでみた日本の賃金水準が低位に落ち込んだことが
初任給の大幅見直しにつながったとみることができる。
海外における募集賃金の水準も射程に入れなければならなくなり、
商社、ゼネコン、金融各社などでは大卒初任給30万円が目前の状況だ。
高度成長期やバブル経済期では、人材獲得競争の熾烈化から、
初任給の伸びが全体の賃上げ率を上回る時期が2~3年続いた(1960~62年、1990~91年)。
最も差が大きかったのは高度成長期の1962年の春闘賃上げ率(労働省集計)10.7%に
対して高卒初任給引き上げ率27.6%(賃金センサス)、
バブル期の1990年は同5.14%対同6.5%。
企業行動として、今回も同様の動きをたどるとすると、
昨年から始動した初任給・賃上げのトレンドは来年までは続く可能性が大きい。
初任給の大幅な引き上げが続いた場合、中小企業も大手に人材を奪われないために、
強気の賃上げに踏み切らざるを得なくなり、
先の連合集計でみたように賃上げ率で見ると全体平均を中小が上回る現象が生じる。
ではなぜ、ここまで初任給の停滞が30年も続いたのか。
バブル期に新規学卒者に対する採用競争の激化によって初任給が
大幅上昇したことを受け、1990年に日経連(現・経団連)は、
この傾向が続くと企業の合理的な賃金体系の維持は困難となるため、
「学卒初任給の現行水準の据え置き」を提起。
さらに94年に至っては、同年の定時総会で若者の就職難が拡大していたことから
「初任給引き下げ」によって、総額人件費を増やさない範囲で新卒採用枠の拡大を
図るとの考えを示した。
新卒採用をめぐる過熱から急激な冷却への動きは初任給の凍結・引き下げ論を発端に、
年俸制・成果主義の導入による賃金水準自体の見直しにまで議論が及ぶことになる。
これが結果的に一般に1993~2005年の間を指す
「就職氷河期」が形成される発端ともなる。
この辺の経緯が日本の賃金水準を低迷させてきた大きな要因だったことを
忘れてはならないし、同じ過ちを繰り返してはならない。 (荻野 登)
★☆★編集後記★☆★
今年のGWは最大10連休。
海外旅行はコロナ禍前の9割程度まで回復。
円安による短い日数で旅行できる韓国、東南アジア、台湾が人気のようです。
国内も円安の影響で近場旅行が多いようです。
4月3日、台湾東部 花蓮県で震度6強の地震が発生しました。
地震発生から3時間で冷房完備、プライバシーに配慮したテントが開設されました。
食事も魯肉飯に焼きアユ等のお弁当、アロママッサージと避難者に寄り添った対応です。
この対応には、日ごろからの官民協力の仕組みが構築されていました。
日本でも最近は各地で地震が発生しています。
迅速な対応を構築して欲しいと願うばかりです。
厚生労働省は、国民健康保険料等の算定に株式の配当などの
金融所得を反映する仕組みの検討を始めました。
現在は、金融所得を確定申告すれば反映され、
申告しなければ保険料が減る仕組みで不公平の指摘があります。
会社員が入る健康保険は賃金で保険料が決まりますが、
今後の検討課題になる可能性はあるようです。
日本各地で夏日・真夏日になっています。
水分を補給して熱中症にお気をつけください。 (白石)
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お楽しみいただければ幸いです。
今後もさらに内容を充実していきたいと思います。
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