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発刊済みメールマガジンMail Magazine

改正育児・介護休業法(2)
 ~介護離職をさせないための個別の周知と雇用環境の整備が義務化~

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★雇用システム研究所メールマガジン★
< 第267号 2024/07/01 >

http://www.koyousystem.jp
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梅雨に入り、うっとうしい毎日が続いています。
皆様いかがお過ごしでしょうか。

雇用システム研究所メールマガジン第267号をお送りします。

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□目次 INDEX‥‥‥‥‥

改正育児・介護休業法(2)
 ~介護離職をさせないための個別の周知と雇用環境の整備が義務化~

■「介護休業」は介護の体制をつくるための準備期間
■両立支援制度に関する情報と意向確認を義務化
■介護休業等に関する研修や相談体制の整備が義務化
■社員が「介護の沼」にはまり、離職しないために
             (以上執筆者 溝上 憲文)

■改正入管法の成立を受け、「人権」「共生」面で抜本的な対策が不可欠に
■最低賃金の審議スタートと新しい資本主義2024改訂版
■「労働基準法」の40年ぶりの大幅な見直しに向けた議論続く
              (以上執筆者 荻野 登)


編集後記(白石多賀子)

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改正育児・介護休業法(2)
 ~介護離職をさせないための個別の周知と雇用環境の整備が義務化~

 改正育児・介護休業法(以下、改正育介法)が今国会で成立した。
今回は前回の育児休業制度に続いて、介護休業制度の法改正について取り上げたい。
 介護休業制度の改正の趣旨は
「介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度の周知の強化」にある。
総務省の「令和4年就業構造基本統計調査」によると、
介護者629万人のうち有業者は365万人とされる。
年齢別の有業率は男性の50~54歳が88.5%、女性50~54歳が71.8%を占め、
最も高くなっている。
そして2022年の介護離職者数は10万6000人に上っている。

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■「介護休業」は介護の体制をつくるための準備期間

 企業にとって会社の中軸を担う社員の介護離職は大きな損失となる。
親の介護に直面しても、仕事を継続しつつ介護施設等の福祉サービスの
支援を受けながら仕事と両立していくことが求められている。
よく誤解されているのが「介護休業」のあり方である。
介護休業とは「介護の体制を構築するために一定期間休業する場合に対応する」
とされている。
法律では93日間の介護休業を取得できるが、あくまでも自治体の
「地域包括支援センター」などへの相談や介護サービスの手続きのための
準備に使う期間という位置づけである。
 しかし、実際には企業の人事担当者でさえも本人が介護するための
期間と勘違いしている人が多いという指摘もある。
介護相談を担う民間団体の専門家は
「企業の担当者の中には従業員の支援ではなく、両親の支援だと思っている人が結構いる。
だから93日では足りないのではないかと言ってくる人事部の人もいる。
介護休業が何のためにあるのか、地域包括支援センターなど介護サービスの
仕組みについて人事担当者が勉強することで仕事と両立できるようにしていくことが大事になる。
今回の周知の義務化によって、要介護になったら地域包括支援センター相談に行くことを
当たり前にしていこうというのが大きなポイント」と語る。


■両立支援制度に関する情報と意向確認を義務化

今回の改正は以下の大きく2つである。
(1)家族の介護の必要性に直面した労働者が申出をした場合に、
事業主が、両立支援制度等に関する情報を個別に周知し、
意向を確認することを義務づける。
個別周知および意向確認の方法は、面談、書面の交付等で行う。

(2)介護保険の第2号被保険者となる40歳のタイミング等に、
事業主が労働者に対して、介護に関する両立支援制度等の情報を記載した
資料を配付する等の情報提供を一律に行うことを義務づける。
その際、両立支援制度等と同時に介護保険制度についても
併せて周知することが望ましい旨を指針で示す。

周知するのは、
(1)介護休業に関する制度、
(2)仕事と介護の両立支援制度、
(3)その他の厚生労働省令で定める事項の3つである。

3つ目については「介護休業とは本人が直接介護するのではなく、
地域包括支援センターに相談し、介護体制をつくるための制度であることを
周知することも含まれる」(専門家)という。
個別の周知と意向確認の方法は、面談、書面の交付等によるとされている。
書面ついては今後、厚生労働省から雛形が作成されるだろう。

 また、介護保険の被保険者となる40歳は、自分のためというより、
両親の介護が気になる年代でもあり、介護保険の福祉サービスの
利用の仕組みを学ぶには絶好の機会といえるだろう。


■介護休業等に関する研修や相談体制の整備が義務化

 さらに今回の改正には介護休業申出や介護両立支援制度の申出を円滑に行うための
雇用環境に関する措置も事業主に義務づけられている。
介護休業申出に関しては、以下の3つのうちいずれかの措置を講じなければいけない。

(1)雇用する労働者に対する介護休業に係る研修の実施、
(2)介護休業に関する相談体制の整備、
(3)その他厚生労働省令で定める介護休業に係る雇用環境の整備に関する措置

 同様に介護の両立支援制度の申出があった場合、

(1)雇用する労働者に対する介護両立支援制度等に係る研修の実施、
(2)介護両立支援制度等に関する相談体制の整備、
(3)その他厚生労働省令で定める介護両立支援制度等に係る雇用環境の整備に関する措置
 ――の3つのいずれかの措置を講じなければいけない。

 厚生労働省令で定める措置について、今後、厚労省が指針等で明確化することになる。
介護休業、介護の両立支援制度に関する研修や相談体制の整備については、
中小企業にとっては負担となる可能性があるが、前出の専門家はこう指摘する。

 「ここでは基本的に周知の方法として研修するのか、相談体制をつくるのかを問うている。
大企業は大勢を集めた研修は可能だが、従業員が少ない企業は相談体制をつくることになるだろう。
しかし相談体制といっても、母親が認知症になったと言ってきたら
『地域包括支援センターに行きましたか』といったやり取りだけでも相談になる。
要するに社内で誰に伝えたらよいのかわからないという状態ではなく、
上司や人事などに相談できる仕組みがあれば問題はなく、それほど大変なことではない」

 社内に地域包括支援センターの仕組みや介護休業制度等に一定の知識を持った人を
担当者に指名し、社内に周知すれば体制を構築したことになる。


■社員が「介護の沼」にはまり、離職しないために

 ところで、子に障害がある場合や医療的ケアを必要とする場合にも、
要介護状態の要件を満たせば介護休暇等の制度を利用できることはあまり知られていない。
障害を持つ子どもを抱える家庭も決して少なくない。
今回の改正では介護休業等に準じて、介護を必要とする期間、回数等に配慮した必要な
措置を講ずる努力義務が事業主に課されていることについて周知の強化が盛り込まれている。

 今回の改正によって介護離職は減少していくのか。前出の専門家はこう語る。

「人事・総務担当者の制度に対する理解が欠かせない。
周知の義務化と雇用環境整備の措置による周知の促進が義務化されても、
結果的に利用の促進につながると、辞めていく社員も出るかもしれない。
弱っている両親に頼られると、『私がやるしかない』と存在意義を感じて離職する人もいる。
私がいなくても会社は回るが、親は私がいないと回らないと感じ、
自分から介護の沼にはまるケースもある。
本人が本当はどうしたいのか、
介護と仕事に揺れ動く気持ちに会社が寄り添っていくことが大切になる」と語る。

 人手不足が叫ばれる中、介護離職をさせないための企業の対応がますます重要になる。
法改正の趣旨を踏まえた社内の整備が不可欠だろう。      (溝上 憲文)


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■改正入管法の成立を受け、「人権」「共生」面で抜本的な対策が不可欠に

 第213回通常国会は6月23日に閉会し、自民党派閥の裏金問題を受けた
改正政治資金規正法が最大の争点となった一方、労働関係の法案も審議され、
前回のメルマガで取り上げた雇用保険法、育児・介護休業法などが改正され、
成立した。

 こうした改正法の底流には進行する少子・高齢化と同時に、
深刻化する人手不足への対応という側面が大きい。

 こうした意味で、6月14日に成立した「出入国管理及び難民認定法及び外国人の
技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律」
(改正入管法)については、30年ぶりの大改正ともいえる内容を含んでいるにもかかわらず、
メディアを含めて、もう少し関心が寄せられるべきだったのではないか。

 同法は、近年における技能実習制度及び特定技能制度をめぐる状況を踏まえ、
特定産業分野のうち、相当程度の知識または経験を必要とする技能を有する
人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保するため、
現行の技能実習に代わる新たな在留資格として「育成就労」の在留資格を創設する。

 同制度は、一定の就労期間(分野により1~2年)、
日本語能力等の条件を満たす場合の転職を可能とし、
受入れ団体については外部監査人の設置を義務付けるなどとしている。
永住者の在留資格の取消しに関しては、従前の公租公課の支払状況や現在の生活状況
その他の当該外国人の置かれている状況に十分配慮する、との修正が加えられた。

 また、育成就労計画の認定及び監理支援を行う事業を行おうとする者の
許可の制度並びにこれらに関する事務を行う外国人育成就労機構を設けるほか、
一号特定技能外国人支援に係る委託の制限、永住許可の要件の明確化等の措置を講ずる。

 深刻化する人手不足に対応するため、2019年の改正入管法で新たな在留資格
「特定技能」が創設され、国内における人材確保が困難な状況にある
14の特定産業分野において、外国人の雇用が可能となった。
この改正も外国人雇用を名目ではなく実質的に拡大する
正面からの外国人労働者対策として、画期的ということができるが、
今回の改正はそれをはるかに凌駕する。

 わが国の労働力不足は深刻の度合いをさらに強めている。
総人口は年間100万人ペースで減少し、
2040年までに1,200万人の生産年齢人口が減少。
生産性向上や女性・高齢者等の就労拡大といった国内人材確保のための
最大限の努力をしたとしてもなお人手不足となることは避けられず、
外国人材がより貴重な労働力になっていくことは確実だ。

 厚生労働省の発表によると、日本における外国人労働者数(2023年10月末時点)
は204万8,675人となり、前年より22万5,950人(12.4%)増加し、
過去最高を更新。
国籍別にみると、ベトナムが最も多く51万8,364人(前年比12.1%増)で、
全体の4分の1を占め、次いで、中国39万7,918人(3.1%増)、
フィリピン22万6,846人(10.1%増)となった。
このうち技能実習生が20万9,305人と、圧倒的に多いのが特徴だ。
しかし、台湾・韓国が外国人労働者の移動先としてウェートを高める一方、
日本は相対順位が低下している。その背景には労働条件の差がある。
低・中熟練外国人労働者の平均月給が最も高いのは、韓国となっており、
国際的な人材獲得競争の激化のなかにあって、
日本はすでに選ばれる国としてのポジションが大きく低下している。

 同法案の成立に対して連合は同日の事務局長談話の中で、
「労働者の権利に影響を与えかねない『地方の人材確保措置を講じる』旨の
修正議決が行われたほか、
見直しの実効性を確保するうえでの懸念も残る」としている。

 今後、外国人労働者が拡大するなかで、現行制度の課題として
国連からも指摘されたような「人権」への配慮は欠かせない一方、
選ばれる国として、外国人との「共生」面についても、自治体任せではなく、
国の関与をより強化する必要があるだろう。


■最低賃金の審議スタートと新しい資本主義2024改訂版

 6月25日、中央最低賃金審議会(会長:藤村博之・労働政策研究・研修機構理事長)で、
令和6年度の地域別最低賃金の改定に向けた議論がスタートした。
武見敬三厚労相は改定諮問に当たり、
「物価を上回る賃金の上昇を実現していかなければならない。
国民は期待感を持って引き上げの水準に注目している。
最低賃金の重要性を踏まえた議論をお願いする」と要望した。

 令和6年度の地域別最低賃金額の改定の目安については、
これに先立つ「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2024改訂版
(令和6年6月21日閣議決定)」及び「経済財政運営と改革の基本方針2024(同日閣議決定)」
に配意した、調査審議を行うこととされている。

 新しい資本主義2024改訂版では、非正規雇用労働者の処遇改善に向けて、
賃上げの裾野を更に広げていくため、男女間賃金格差の是正や、
非正規雇用労働者の方の賃金引上げを進めると強調。最低賃金の引上げについては、
「昨年の最低賃金の全国加重平均は 1,004円と、目指していた
『全国加重平均 1,000円』を達成した。
引上げ額は全国加重平均43円で、過去最高の引上げ額となった」と政策の成果を強調。

 そのうえで、今年については、「昨年を上回る水準の春季労使交渉の結果を含み、
労働者の生計費、事業者の賃金支払能力の3要件も踏まえて、最低賃金の引上げ額について、
公労使三者構成の最低賃金審議会でしっかりと議論いただく」と要望している。

 ちなみに、連合の6月3日時点での集計によると、平均賃金方式で回答を引き出した
4,938組合の「定昇相当込み賃上げ計」は加重平均で1万5,236円・5.08%、
パートなど有期・短時間・契約等労働者の賃上げ額は、加重平均で時給62.70円、
引上げ率は概算で5.74%。
このため、5%程度が今回の改定目安の参考になることが予想される。

 そのうえで、2024改訂版では岸田政権が掲げる中期目標としての1,500円について、
「労働生産性の引上げ努力等を通じ、2030年代半ばまでに1,500円となることを
目指す目標について、より早く達成ができるよう、
中小企業・小規模企業の自動化・省力化投資や、事業承継、M&Aの環境整備等について、
官民連携して努力する」としている。

 もう一つの課題としては、昨年度の改定で最も高い東京都(1,113円)と
最も低い岩手県(893円)で220円の差がついており、地域間格差の是正も主要な論点となる。
このため、労働側の連合は、「誰もが時給1,000円」を速やかに実現すべきであり、
価格転嫁対策の実効性を高め、物価や賃金が継続的に上昇する新たな時代に対応する
ルール作りを進める必要があると主張。
全労連は、2024年の最賃審議で、直ちに全国一律時給1500円実現をと訴えている。

 これに対して日本商工会議所、東京商工会議所、全国商工会連合会、
全国中小企業団体中央会(中小企業四団体)は、4月18日に連名で、
「最低賃金に関する要望」を取りまとめている。
令和6年度の中央・地方における最低賃金審議にあたり、政府に対して、
(1)中央・地方の最低賃金審議においては、
法定三要素に関するデータに基づく明確な根拠のもと、
納得感のある審議決定、
(2)最低賃金引上げが中小企業・小規模事業者の経営や地域の雇用に与える影響に注視、
(3)中小企業・小規模事業者が自発的・持続的に賃上げできる環境整備の推進、
(4)中小企業・小規模事業者の人手不足につながる「年収の壁」問題の解消、
(5)改定後の最低賃金に対応するための十分な準備期間の確保、
(6)産業別に定める特定最低賃金制度の適切な運用
 ――を要請している。

 審議会では数回の議論を経て、7月下旬にも、中央最低賃金審議会としての
目安額が示される予定となっている。


■「労働基準法」の40年ぶりの大幅な見直しに向けた議論続く

 厚生労働省では1月23日「労働基準関係法制研究会」
(座長・荒木尚志・東京大学大学院法学政治学研究科教授)を設置した。
同研究会の目的は、「今後の労働基準関係法制について包括的かつ中長期的な検討を行うとともに、
働き方改革関連法附則第12条に基づく労働基準法等の見直しについて、
具体的な検討を行うこと」とされている。

 またその検討事項は「『新しい時代の働き方に関する研究会』報告書を踏まえた、
今後の労働基準関係法制の法的論点の整理」と
「働き方改革関連法の施行状況を踏まえた、労働基準法等」とされている。

 この研究会の議論のベースとなっているのが厚生労働省の
「新しい時代の働き方に関する研究会」
(座長:今野浩一郎・学習院大学名誉教授学習院さくらアカデミー長)が
昨年10月に取りまとめた報告書。同報告は、
「不当な条件の下で働く者や長時間労働等により健康上の支障が生じる者を保護する
という労働保護の精神は、新しい時代に即した労働基準法制の方向性を検討していく中でも
忘れてはならない」と、現行法制の精神を「守る」視点も強調する一方、
多様化する働き方や労働者のニーズに伴い、見直しの方向性も提言。

フリーランスへの対応など制定当時は想定していなかった課題への対応や、
規制の「事業所」単位などの基本概念の再考を提言した。

これまでに学識者10人のメンバーで構成する「労働基準関係法制研究会」は、
今後の労働基準関係法制を考えていくに当たって、
(1)労働時間法制、
(2)労働基準法の「事業」、
(3)労働基準法の「労働者」、
(4)労使コミュニケーションの各論点について
構成員が自由に意見を述べる形で議論を進めてきた。

 さらに、連合、経団連の労使団体へのヒアリング(5月10日)や、
6月27日に開催した第8回研究会では、全国社会保険労務士会連合会、
一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会からの
ヒアリングを実施した。

経団連はこうした議論に先立ち、今年1月16日に
「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」を発表。
「労使自治」を軸とした労働法制へと見直す際には、

(1)労働者の健康確保は最優先、
(2)労使自治を重視し、法制度はシンプルに、
(3)時代にあった制度見直しを

――の3つの視点が求められると主張。
そのうえで政府には、(2)の観点を踏まえつつ、
「過半数労働組合がある企業を対象として労働時間規制のデロゲーション
(36協定のような法規制の例外措置)の範囲の拡大」、
「過半数労働組合がない企業では『労使協創協議制(選択制)の創設』」
を提唱している。

 一方、連合はヒアリングで、グローバル化・デジタル化を背景に、
働き方の多様化に伴う過重労働リスクがあり、労働基準関係法制が
遵守されていない現状、労働関係法令の保護を受けられない
「曖昧な雇用」の就労者の増加をふまえ、労働基準監督行政の充実・徹底が必要で、
労働者・就労者保護の視点で現行法制の見直しを行うべき、などと主張した。

 労働基準法の大幅な改正が実施されたのは1987年までさかのぼる。
週40時間労働制導入の一方、多様な変形労働時間制として
裁量労働制の導入などが盛り込まれた。
そのベースとなった学識者で構成する労働大臣の私的諮問機関
「労働基準法研究会」は、1985年12月、「労働者」の判断基準、
就業規則、労働時間、深夜交替制労働及び退職手当など、
労基法の網羅的な見直しに向けた報告を提出した。

 例えば労働時間法制だけではなく、労働契約法制、就業規則法制、
さらには、労働基準法上の労働者性の判断基準もこの研究会で出されたものが
現在に至るまで規範となっている。
この研究の成果のもとに1987年に労基法の大改正がなされた。

今回の研究会の成果がどのように形で、法改正に至るのかについては、
労使団体だけでなく、関係者も大いに注目している。 (荻野 登)


★☆★編集後記★☆★

 例年より遅い梅雨入りとなりました。

 6月の「定額減税」作業で給与担当者は大変だったと思います。
帝国データバンクが定額減税に関して東京都内企業にアンケートをしたところ、
事務処理について「負担感がある」は73.9%でした。
 6月で「定額減税」の処理は終了せず、7月以降に繰り越している企業も多くあります。
年末まで「定額減税」の事務処理は続きます。

 5月の規制改革推進会議「働き方・人への投資ワーキング・グループ」の資料に、
厚生労働省が「解雇等無効判決後における復職状況等に関する調査(速報)」を提出しました。

○復職せず  54.5%
 復職しなかった理由は
  ・復職後の人間関係に懸念 38.9%
  ・訴訟で争ううちに退職する気になった 22.2%
○復職    37.4%
 復職後に退職(18.9%)した理由は
  ・使用者からの嫌がらせ   85.7%
  ・職場に居づらくなった   42.9%
○労働者が解雇等訴訟を提起した理由は
  ・給与収入など経済的利益を守りたかった   84.5%
  ・事実関係や解雇の有効性の有無をはっきりさせ、公正な解決を得たかった
                        80.0%  
  ・相手方が交渉に応じなかった        77.4%
  ・自分の社会的名誉や自尊心を守りたかった  76.2%
  ・同じような問題を抱えている労働者の立場や利益も守りたかった  52.3%
  ・相手を懲らしめてやりたかった       33.6%

この調査で復職する割合が約4割いることに驚きました。

酷暑に向け高温多湿の時期、くれぐれも体調にはお気をつけください。(白石)


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発行者 社会保険労務士法人雇用システム研究所
代表社員 白石多賀子 東京都新宿区神楽坂2-13末よしビル4階
アドレス:info@koyousystem.jp

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